投稿者:第2建築部 小森

第二建築部の小森です。
担当現場で、お客様から「旧家屋で使っていた床柱を、新しい家でも使いたい」とのご希望をいただきました。

新しいお宅では『大壁和室』に使うのですが、この床柱はもともと『真壁和室』に使われていたため、
そのまま再利用することはできません。
そこで、職人さんに相談して、不要な掘り込みやキズを目立たなくする補修工事をお願いしました。

①まず、床柱の端材を使って掘り込み部分を埋めました。
端材は経年による艶や色味こそ似ていますが、厚みに違いがあります。

防火水槽の設置1
②そこで、厚みを削って合わせた後、彫刻刀で大まかに木目(筋)を彫りました。この段階では、まだ境目が確認できます。
防火水槽の設置3
③続いて、色合いを丁寧に調整し、彫った筋も周囲と違和感がないように整えていきます。
防火水槽の設置④
④最後に、艶や色味をなじませながら、境目が見えないよう丁寧にぼかして完成させました。
補修には4日ほどかかりましたが、とてもきれいに仕上がりました。
艶や色はもちろん、もともと掘り込みがあったことがまったくわからないくらい、自然な仕上がりで感動しました。

実はこの職人さん、仏像を彫るのが趣味だそうです。
素晴らしいお仕事、本当にありがとうございました!